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腎移植マニュアル 9. 献腎移植を受けるには

生前にドナーカード等で臓器提供の意思を表明されていた方が不幸にして亡くなられた場合、条件が整えばその方から心臓、肝臓、腎臓など複数の臓器提供ををしてもらうことが可能です。提供してもらった2つの腎臓は、それぞれひとつずつ2人に移植されます。このような腎移植を献腎移植といいます。

献腎移植を希望される方は、まえもって日本臓器移植ネットワークに登録をしておく必要があります。慢性腎臓病や腎不全の方なら誰でも登録できるわけではなく、すでに血液透析や腹膜透析などの透析療法を受けている方や、まもなく必要となりそうな進行した末期腎不全の方に限られます。

この条件に該当する方で献腎移植登録を希望される方は、まず最寄りの腎移植実施病院を受診し、いくつかの検査を受ける必要があります。これらの検査は、いざ本当に献腎移植を受けることになった時に、問題なく腎移植を受けられるかどうかを判断するために行います。下記で説明する通り、献腎移植を受ける機会は突然やってきます。登録をする以上はいつ腎移植の手術を受けることになっても大丈夫なように、登録の段階で必要な検査をしておくということです。

具体的には、採血検査、心電図、レントゲン、CT検査、心臓エコー検査などがあります。体力的に手術に耐えられるかどうか、免疫抑制剤を内服することで悪化するような病気や感染症を持っていないかどうかを確認することになります。これらの検査の結果、登録が可能と判断されれば、

献腎移植は、生前にドナーカード等で臓器提供の意思を表明されていた方が亡くなられた後に、2つの腎臓を提供していただくことで始まります。

臓器提供が決まると、さまざまな基準によって献腎移植登録をされており、臓器提供者と同じ血液型の方の中から、腎移植候補者の優先順位リストができます。この優先順位リストは、①提供者の腎臓と腎移植候補者の組織適合性 ②提供病院と腎移植候補者の居住地の距離 ③献腎移植登録からの経過日数 ④腎移植候補者の年齢で決まります。

 

①提供者の腎臓と腎移植候補者の組織適合性について説明します。組織適合性とはいただく腎臓と腎移植候補者の血液の相性のことで、これが合っているほど拒絶反応の危険性が少なくなります。つまり崇高な善意の意思で提供いただいた腎臓を最大限活かすために、なるべく拒絶反応が起こりにくい腎移植候補者を選ぶということです。

②提供病院と腎移植候補者の居住地の距離は、近いほど優先的となります。距離が近ければ近いほど、提供していただいた腎臓を腎移植候補者の元へ運ぶまでの時間が短く済み、そのぶん提供していただいが腎臓が受けるダメージが減らせるからです。

③献腎移植登録からの経過年数は、長いほど優先的になります。より長く待っている方がなるべく腎移植を受けられるようにという意味があります。

④腎移植候補者の年齢は、16歳未満の方が最も優先で、次に16歳〜20歳の方、20歳以上であれば何歳でも条件は同じとなります。

 

①〜④の項目を、基準に基づいて点数化し、点数の高い順に優先権があり、順当に話が進むと1位の方と2位の方がそれぞれ1つずつ腎臓を提供してもらい献腎移植を受けることができるようになります。

ただし順位が決まってから、臓器提供者と腎移植候補者の間でさらに組織適合性を詳しく調べるクロスマッチ検査を行い、もしも陽性となった場合は候補者から外れます。

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