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夜尿症(おねしょ)

5歳を過ぎてからも、おねしょが1ヶ月に1回以上あれば「夜尿症」(やにょうしょう)といいます。「夜尿症」はほとんどの場合、成長にともなって少しずつ自然に治りますが、適切な治療をすることでより早く治ります。まずは生活指導を行います。それで治らなければ、飲み薬もしくはおねしょアラームによる治療が一般的です。 

目次

 

夜尿症(やにょうしょう)とは 

「おねしょは大人になれば治る」、そんなことは誰でもわかっています。それでも悩んでいる子はいますし、悩んでいるお母さん、お父さんはたくさんいます。

心配なら泌尿器科を受診してください。受診してすぐに治ればもちろんハッピーです。なかなか治らない子もいますが、1人で悩むよりはずっと良いと思います。

5歳を過ぎた子供で、「おねしょ」が1ヶ月に1回以上あることを夜尿症と呼びます。では、5歳になるまではどうでしょう。2歳児の2人に1人、4歳児で4人に1人はおねしょをすると言われています。つまり、幼稚園児までのおねしょは普通ということです。

では、5歳以上ではどうでしょうか。全国の5歳から15歳までのお子さんのうち80万人が夜尿症だと言われています。そんなにいるんだ、と安心するような気にもなります。小学校1年生で10人に1人、6年生では20人に1人 つまりクラスに1人か2人、そう言われると、少し悩んでしまうような気もします。

また、小学校高学年くらいになると泊まりの行事が増えます。親御さまが心配をされたり、お子さん自身が少し気にしたりするようになることが多いようです。

おねしょのほとんどは特に病気というわけではなく、治療をしなくても自然に治ります。ただ、悩んでいるお子さんや、悩んでいる親御さんがいるのも事実です。泌尿器科を受診し適切な指導や治療を受けることで、より早く治るとことが多いと言われています。

適切な指導とは、水分摂取の仕方や夕方以降の過ごし方です。これだけのことで治ることもよくあります。

もしも治らない時は、薬を試してみてもよいかもしれません。おねしょの薬は何種類かありますので、どれが効きそうかを判断したうえで試します。

またご自身で購入することになりますが「おねしょアラーム」という器械が有効なことも多いです。お子さん、親御さまに合った治療方法を治るまで一緒に考えましょう。

では何歳までおねしょが止まらなければ医療機関を受診すればよいのでしょう。治療を始めてすぐに治るお子さんもいれば1年以上かかることもあります。小学校などで泊まりの行事が始まる前に治療を始めた方が焦らず取り組めます。必ずというわけではないですが、小学校を上がってもおねしょがある場合が、ひとつの目安かもしれません。

 

夜尿症の症状

症状は、「おねしょ」、つまり夜間寝ている時の「おもらし」です。ただし、夜間のみ「おもらし」をする場合と、昼間起きている時も「おもらし」をする場合では原因が少し違うことがあります。

夜尿症の原因は、① 夜に尿がたくさん作られすぎること ② 膀胱がしっかり尿を貯められないこと ③ 膀胱に尿がたくさんたまっても目が覚めないこと、の3つです。

3つの要素のなかでも、③はほとんどの夜尿症に関わっています。それに加え、①の要素が強い場合と、②の要素が強い場合があります。

昼間もおもらしがある場合は「遺尿症(いにょうしょう)」と言われます。この場合は、②が原因のことが多いのですが、単なるおねしょではなく別の病気が潜んでいる可能性もあり注意が必要です。

 

夜尿症の検査、診断

まず夜尿症のタイプを調べるために、「排尿日誌」を記録してもらいます。排尿日誌とは、起きている間の水分摂取量、おしっこの回数と1回量、夜間のおねしょの回数を記録していただくものです。

というのも、夜尿症の原因はとして、夕方以降に水分を摂取しすぎることが原因となっている場合がかなり多いからです。

排尿日誌の結果をもとに夜尿症の原因を推測し、生活習慣改善の具体的な指導内容や薬の種類などの治療方法を考えます。

また単なる「おねしょ」なのか、何か他の病気が潜んでおり、そのせいでおねしょをするようになっていないか、などを調べるために、「検尿」、「腹部超音波」(エコー)、「身体の診察」などをすることもありますが、特に痛い検査はありません。

 

夜尿症の治療

①生活指導

さて具体的な生活指導です。①昼間のあいだは水分をしっかり摂り、逆に幼稚園や学校から帰ってからはあまり摂らないようにする ②夕食の時間が遅くなりすぎないようにして、夕食を食べてから寝るまで2時間は空ける。③塩分を摂りすぎない。④寝る前にトイレに行き、布団に入る直前にもう一度行く、以上です。

これらのことはすでに試していたり、改善してもおねしょが治らない場合は、薬による治療やおねしょアラームを試します。 

 

②薬物治療

薬の治療を行うためには、上にあげた生活習慣の改善、特に幼稚園や学校から帰ってから夕方以降に水分を飲みすぎないことが徹底されているのが条件です。それをしっかり守った上で、まだおねしょがある場合は薬の治療を試します。

夜に尿がたくさん作られすぎることが主な原因と考えられるときには、夜に作られる尿の量を減らすお薬を試します。

膀胱がしっかり尿を貯められないことがが主な原因と考えられるときには、膀胱を少し緩めてあげるようなお薬を試します。

 

③おねしょアラーム

もしも薬による治療を希望されない、あるいは効果が不十分だった場合は、おねしょアラームの購入をお勧めします。

おねしょアラームとは、寝る前に、センサー付きの専用パンツを履いて寝て、もしもおねしょをしてパンツがぬれた場合、音が鳴ったりバイブレーションで目が覚める、という装置です。

お子さまが音で目覚めない場合は親御さまがお子さまを起こして、トイレで残りのおしっこを出してもらうようにします。これを続けることで、数ヶ月するとおねしょがなくなります。薬による治療を試す前におねしょアラームを購入して試してみるのもよいでしょう。

おねしょアラームについてはこちら

 

夜尿症治療の注意点

じっくり焦らず治療をすれば、半年程度で治る子が半分くらいです。なかなか治りにくい子がいるのも事実ですが一緒に頑張りましょう。

ちなみに、夜中におねしょをする前に無理やり起こしてトイレに行かせると、治るのが遅くなると言われています。また、おねしょをしたことを責めるのも、お子さんが辛い思いをするだけでなく、むしろ逆効果のと言われているためやめましょう

 

 

 

神戸市東灘区 摂津本山 いしむら腎泌尿器科クリニック院長

泌尿器科専門医 石村武志

 

 

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