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腎移植を受けたあとはナマモノを食べていいんですか?

これも非常によく聞かれます。みなさん、お寿司やお刺身を食べたいんだなあと、つくづく思います。美味しいですもんね。

 

 

結論からいうと、腎移植を受けて3ヶ月くらいすれば、新鮮なネタなら食べても良いと私は思います。1年経てばまず大丈夫です。

 

私は、、と言っているのは、絶対大丈夫かと聞かれると困ってしまうからです。どんな食べ物だって腐っていたら食中毒、つまり感染性腸炎を起こします。

 

腎移植患者さんは免疫抑制剤を飲んでいるので、食中毒になると、非常に重症になって集中治療室行き、、なんてこともありえます。用心は必要ですが、ナマモノであっても普通に新鮮な美味しい刺身などを選んで食べれば大丈夫と思っています。

 

 

ちなみに、このように聞かれた際は、必ず付け加えて説明することがあります。「ただし、鶏の刺身や生の牡蠣(かき)など、普通の人が新鮮な品物を食べても当たる可能性のあるものはやめておきましょう」、、です。

 

 

鶏の刺身に当たった、などというと軽々しいですが、鶏の刺身で当たるのは「キャンピロバクター」あるいは「サルモネラ」、牡蠣(かき)はご存知「ノロウィルス」で、立派な食中毒です。

 

 

みなさん、退院時にはこれらは避けるように指導をしているつもりです。

 

それでも年に1人くらいは、激しい熱と下痢、腹痛で救急受診され、炎症反応とクレアチニンが激しく上昇しており緊急入院、、という方がいらっしゃいます。

 

よく話を聞くと「鶏の刺身」を食べた、というわけです。ひどい場合は集中治療室に入り生死をさまよう、なんてことにもなりかねないので、くれぐれご注意ください。

 

あとは、なぜ3ヶ月なの?ということです。3ヶ月前はお寿司やお刺身が絶対だめとか3ヶ月たてば全然大丈夫、というわけではありません。

 

でも、どこかで区切りをつける必要があります。施設の方針によって違うことなので、あくまで私が勤務していた神戸大学での腎移植の経験から説明しています。

 

腎移植後の免疫抑制剤は、手術直後はかなり多いです。それが数週間でどんどん減り、退院する頃にはだいぶ少量となりますが、まだ減り続けます。そして手術後3ヶ月くらいでサーティカンという薬を追加して以降は(病状によって追加しない方もいます)、しばらくあまり変わりません。

 

そして次は1年経過したことを目安にさらに一段階減ります。つまり免疫抑制剤の量としては、3ヶ月、1年が区切りとなるわけですが、1年待てというのもなあ、と思うので、3ヶ月としているわけです。

 

幸い、3ヶ月を超えてナマモノを許可した途端に明らかに食中毒の方が増えた、ということはありませんので、その基準でよいのかなと思っています。

 

慎重な方は1年待ってもらってもよいかなとも思います。1年たてばまず大丈夫です。腎臓をくれたドナーの方と一緒にお祝いをしてください。

 

 

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