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血尿が出た、尿が赤い、検診で尿潜血を言われた

「血尿」の状態は3段階あります。① 健康診断や人間ドック、内科の「尿検査」などで、「尿潜血」が陽性です、と言われる場合です。これは試験紙で調べる簡易検査にひっかかったということです  ② 「尿検査」で、尿を顕微鏡で調べた結果、実際に「赤血球」つまり「血」が混じっていたという場合で「顕微鏡的血尿」と言います。 ③ トイレで排尿した際に、便器にたまった尿が赤いことに自分で気づくのは「肉眼的血尿」です。

 

 

「血尿」の状態には3段階あります

1. 尿潜血陽性

健康診断や人間ドック、内科の尿検査などで、「尿潜血」が陽性です、と言われる状況です。「尿潜血」とは、試験紙に尿をつけて色の変化で尿に血が混じっているかどうかを調べる簡易検査です。同じように、「尿蛋白」や「尿糖」なども試験紙で調べられます。

 

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2. 顕微鏡的血尿

同じく「尿検査」の尿を顕微鏡で調べて、実際に「赤血球」つまり「血」が入っているかどうかを調べることでわかる「血尿」で、これを泌尿器科では「顕微鏡的血尿」といいます。

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3. 肉眼的血尿

トイレで排尿した際に、便器にたまった尿が赤いことに自分で気づく、あるいは下着に血が混じった尿がついており自分で気づく「血尿」です。これを、見た目に明らかに血が混じった尿ということで、泌尿器科では「肉眼的血尿」といいます

 

「尿潜血」と「血尿」の違い

これらの中で「尿潜血」については、あくまで簡易検査であり、人間が見た目で試験紙の微妙な色の違いを「+」とか「++」などのように判定するため、そこまで正確というわけではありません。実際、「尿潜血」が「+」の方でも、泌尿器科を受診して尿を顕微鏡で調べてみると、全く「血」は混じっていなかった、つまり「血尿」ではなかった、ということもそれほど珍しくはありません。

ただし、「尿潜血」で引っかかった方が泌尿器科を受診されて、顕微鏡を使った尿検査をすると、やはり本当に「血尿」であった、ということはもちろんあります。つまり、「尿潜血」は、血尿がある人とない人を区別する第一段階の検査と言えます。その検査で「血尿の疑いがある」と判断されたということとなりますので、もちろん陽性となった場合は泌尿器科を受診しましょう。

 

さて、「顕微鏡的血尿」と「肉眼的血尿」、これらはどちらも広い意味では「血尿」です。つまり、「腎臓」、「尿管」、「膀胱」、「尿道」、「前立腺」(男性の場合)、にかけて、尿の通り道のどこかから血が出ており、それが尿と混じって出てきているわけです。

出血の量が多いと目で見てわかるような「肉眼的血尿」となるため自分で気付くことになります。また、出血の量が少なければ、尿で薄まるために自分では気づかないけど、尿検査で「おしっこに血が混じってます」と言われる、つまり「顕微鏡的血尿」となります。

 

血尿の出る場所(尿の通り道)

「腎臓」は、尿をつくる臓器で、2つの部分からできています。1つは中身が詰まったいわば「実」の部分で、「腎実質(じんじっしつ)」といいます。

「腎実質」では主に尿が作られています。またもう1つは、「腎実質」で作られた尿を溜めておく袋状の部分で「腎盂(じんう)」といいます。「腎実質」で作られた尿は、「腎盂(じんう)」という尿を貯めておくための袋に集まります。「腎盂」に一旦溜まった尿は、次に「尿管」という細い管を通ってお腹の下まで流れていき、「膀胱」に貯められます。

通常、「膀胱」に尿が200〜400mlくらい溜まると、「おしっこがしたい」と感じてトイレに行き、「尿道」を通って尿が排泄されます。

また男性では、尿道の一番奥、つまり膀胱の出口部分で尿道を取り囲むように「前立腺」が存在しますが、これは精液の成分の一部を作っている臓器です。

「血尿が出た」、「尿に血が混じっている」、「尿が赤い」という場合、これら「腎臓」、「尿管」、「膀胱」、「前立腺(男性の場合)」、「尿道」のうち、どこからか血が出ており、それが尿に混じって出てきている、ということになります。

 

血尿の原因となる病気

「血尿」が出る病気には、冒頭で挙げたように、「腎結石」、「尿管結石」、「膀胱結石」、「前立腺結石」、「膀胱炎」、「腎細胞癌」、「腎盂癌」、「尿管癌」、「膀胱癌」、「腎炎」、「菲薄基底膜病」などがあります。

尿検査で「おしっこに血が混じってます」と言われる「顕微鏡的血尿」の場合は、それらいずれの病気である可能性もありえます。

ただし「顕微鏡的血尿」の場合は、検査をしても特に病気が見つからないことも割とよくあり、このような場合は特に治療はせずに定期検診を引き続き受けていただくこととなります。いっぽうで、「肉眼的血尿」が出た場合は、なんらかの病気が見つかる可能性が非常に高くなります。

若い方では「腎結石」、「尿管結石」、「膀胱炎」がほとんどです。いっぽう高齢者では、「腎細胞がん」、「腎盂がん」、「尿管がん」、「膀胱がん」などの悪性の病気の可能性も出てきます。同時に「蛋白尿」も言われている場合は「腎炎」の可能性があります。

 

血尿の原因① 腎結石

「腎結石」は数mm程度の小さなものから中には数cmにもなる大きなものがありますが、「腎臓」の中でも特に「腎盂」にできていることが多いです。

痛みはないことが多いですが、固い「結石」が腎盂の粘膜とこすれることで出血し「血尿」の原因となりますが、「腎結石」があっても「血尿」がないこともあります。意外かもしれませんが、20代くらいの若い方でも「腎結石」や「尿管結石:は珍しい病気ではありません。

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血尿の原因② 尿管結石

「腎結石」が、「腎盂」から「尿管」へ流されて移動すると「尿管結石になります。「尿管」は太さが2-3mmの細いストローのような尿を運ぶ管です。「結石」が「腎盂」から「尿管」に流れると、「尿管」はとても細いので途中で引っかかって、「尿管」の粘膜とこすれて出血し血尿が出ます。

また「尿が流れにくくなり、「結石」が「尿管」に詰まってしまうと、尿が流れなくなり、「腎臓」で作られた尿が「腎盂」にたまって腫れてきます。

「尿管結石」では、「腎盂」が腫れることなどにより、腰や背中が重だるいような痛みや、場合によっては非常に激しい痛みが出ます。

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血尿の原因③ 膀胱結石

「膀胱結石」は、「前立腺肥大症」や「神経因性膀胱」などの病気で、普段から尿が完全に出しきれずに「古い尿」が膀胱に常に溜まっている状態があるとできやすくなります。血尿が出たり、排尿時の痛みが出ることもあります。寝たきりの方や、「尿道カテーテル」が入った状態の方にもできやすいです。

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血尿の原因④ 前立腺結石

「前立腺結石」は、歳をとってくると「前立腺」の内部にできる「結石」で、高齢者の方ではほとんどの方にあります。

これ自体は治療が必要な病気ではなく、一種の加齢現象なのですが、時々この「前立腺結石」が尿道に排出される時に「血尿」が出ることがあります。

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血尿の原因⑤  膀胱炎

「膀胱炎」は 尿の出口から「膀胱」に細菌が入って起こる病気です。「排尿時の不快感」、「排尿時痛」、「残尿感」、「血尿」などの症状が出ます。

女性に多く、疲れや冷え、排尿を我慢しすぎることなどが原因となります。同じ「膀胱炎」でもとても色の濃い「肉眼的血尿」が出ることもありますし、ほとんど「血尿」には気づかないこともあります。

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血尿の原因⑥ 腎細胞がん

高齢者の「血尿」では、悪性腫瘍つまり「癌」が原因であることが増えてきます。「腎細胞がん」は40代以上と比較的若い方にもできる「癌」ですが、「腎臓」の中でも「腎実質」にできる癌です。早期の場合はほとんど症状が出ることがないため、「血尿」の原因としてはそこまで多いわけではありません。

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血尿の原因⑦ 尿路上皮がん(腎盂尿管がん、膀胱がん)

いっぽう、「腎盂がん」や「尿管がん」、「膀胱がん」の多くは50代以上ともう少し高齢の方にできる癌ですが、早期であっても「血尿」の原因となることがあります。高齢者で「肉眼的血尿」が出た場合は、これらの病気の可能性があるため、早めに泌尿器科を受診しましょう。

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血尿の原因④  腎炎

腎炎」は、「腎臓」の中でも、尿を作っている「腎実質(じんじっしつ)」の病気で、「IgA腎症」、「急性腎炎」、「膜性増殖性糸球体腎炎」、「急速進行性糸球体腎炎」などの病気の総称です。

腎臓内科が担当する病気で、尿検査で「おしっこに血が混じってます」と言われると同時に「尿蛋白」も言われて病院を受診し、今まであげたような泌尿器の病気でない場合は、「腎炎」の可能性があります。

進行すると「腎不全」になり「血液透析」をしなければいけなくなることもあり、健康診断などで異常を言われた場合は、早めに泌尿器科や腎臓内科を受診したほうがよいでしょう。

 

血尿の原因④ 菲薄基底膜病(ひはくきていまくびょう)

尿を作る「腎臓」の中でも、糸球体基底膜(しきゅうたいきていまく)の異常による病気です。家族性・遺伝性にみられる病気で、特に治療を必要としないことがほとんどです。

この病気の方は、子供の頃から、学校健診時の検尿で毎年「尿潜血」があると言われます。しかし、精密検査を受けると、特に異常がないとされている場合がほとんどです。同じようなことが血の繋がった家族の方でもある、という場合は、この病気の可能性がかなり高くなります。

いっぽう、この病気と同じく家族性・遺伝性に血尿が出るのに加えて、蛋白尿も認め腎不全に進行する可能性がある「アルポート症候群」という病気があります。「菲薄基底膜病」の確定診断には腎生検が必要ですが、家族に腎不全の方がいなければ、通常は年に何度か検尿をして蛋白尿が出ないことを確認しながら経過観察します。

 

泌尿器科専門医 石村武志

 

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