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停留精巣

男の子の「キンタマ」は正式名称を「精巣」と言い、「玉ぶくろ」は「陰嚢(いんのう」と言います。男の子が生まれたときに精巣が陰嚢の中まで降りてなくて、お腹の中やそけい部にあることを停留精巣といいます。

 

停留精巣とは

乳児検診で、男の子の赤ちゃんが「停留精巣(ていりゅうせいそう)」と言われることがあるかもしれません。そう言われても何のことか、特にお母さんはさっぱりわからなく、ただただ不安でしょう。

 

焦る必要はありません。このサイトの説明をじっくり読んで、必要な場合は医療機関を受診しましょう。

 

さて、まずは用語の説明です。男の子の「キンタマ」は、医学的な正式名称を「精巣」と言います。また「キンタマ」を包んでいる「玉ぶくろ」は「陰嚢(いんのう」というのが正式名称です。

 

ここではわかりやすく「キンタマ」と「玉ぶくろ」という言葉を用います。ちなみに「停留」とは「とどまってしまっている」ということを意味します。

 

では、キンタマがどこにとどまってしまっているんでしょうか? もし、そう言われたらどうすればよいのでしょうか? 

 

話はお母さんが妊娠した時にさかのぼります。お腹の中の赤ちゃんは妊娠2ヶ月頃になると男の子になることが決まります。

 

キンタマは、最初は赤ちゃんのお腹の中で出来始めます。その後キンタマは、だんだんとお腹の下の方に降りてきます。生まれる2か月前くらい前になるとさらに降りてきて、お腹の外にある玉ぶくろの中におさまるようになるというわけです。

 

ところが、生まれてきた時点で、キンタマがまだ玉ぶくろの中まで降りてきていないことが時々あります。これが停留精巣です。

 

「精巣」(キンタマ)が、玉ぶくろの中まで降りて来ず、おなかの中に「停留」(とどまってしまっている)している。というわけです。なので玉ぶくろを指でいくら触って確認しても、中にキンタマを触れません。

 

大事なキンタマがないなんて、、と焦ることでしょう。でも、実は新生児の男の子の約5%に「停留精巣」だと言われています。20人に1人なので、まあまあよくあるといえばよくあることです。また早期出生児では停留精巣がさらに認められやすいと言われています。

 

出生児にキンタマが降りてきてなくても焦る必要はありません。実は、生まれたときは「停留精巣」でも、生まれて数カ月経つと徐々に降りてきて正常になることが多いのです。

 

しかし、1歳になってまだキンタマが降りてきてなくて、「停留精巣」が続いている確率は、約1%まで減ると言われています。

 

さらに1歳の時点でまだ「停留精巣」だった場合は、その後自然に降りてくる可能性は低いとされています。

 

そのままずっと降りてこないとどうなるでしょうか。実は結構怖い話なのですが、「停留精巣」は「精巣癌」と「男性不妊症」の原因となる可能性があります。

 

そこで、生後6ヶ月の乳児検診でも左右どちらかのキンタマが玉ぶくろの中に降りてきていない場合は、「精巣固定術」という手術が必要になります。キンタマを玉ぶくろの中まで引き下ろしてきて固定するという手術です。

 

停留精巣は、停留精巣は乳児検診で見つかることがほとんどです。玉ぶくろを触ってみてキンタマを触れることができない場合は停留精巣の疑いがあります。

 

でも、赤ちゃんのキンタマは小さく、そけい部まで上がったり玉ぶくろに降りたりと移動することも多いため、親御さんでは判断しにくいことが多いです。

 

正しい判断をするため、また無用な心配を避けるため、検診で「停留精巣」と言われた時は泌尿器科を受診しましょう。

 

停留精巣の症状

「停留精巣」は検診で指摘されない限り、気づくことはむずかしいでしょう。なぜなら赤ちゃん、特に乳児のキンタマはかなりちいさく、指でさわっても非常にわかりにくいからです。

 

乳児検診では何も言われたことがないのに、2〜3歳くらいになってから、玉ぶくろの中にキンタマがない気がする、、ということも時々あります。

 

キンタマが玉袋に降りてきたり、お腹の途中まで上がりそうになったりを繰り返していることがあるからです。これを「遊走精巣」といいます。

 

男の人ならわかると思います。キンタマは、寒かい時や緊張するとお腹の方に引っ張られ少し上がるんです。

 

玉袋とお腹の中を繋ぐ「そけい管」という管があります。玉ぶくろの中での固定が不十分だと、引っ張られた時にキンタマが上がり、この「そけい管」の中に入り込むのです。

 

一旦入っても、リラックスしてくると、また玉ぶくろの中に降りてきている、というわけです。「遊走精巣」は特に治療の必要はないと言われています。


停留精巣の診断、検査

乳児検診で「停留精巣」と言われたり、自分あるいは親御さんがキンタマが玉ぶくろに入ってないことに気づいた時には、泌尿器科を受診してください。

 

まずはもう一度、触診(触って確認すること)で、玉ぶくろの中に本当にキンタマがないかどうかを確認します。さきほど説明したように「遊走精巣」の可能性がないかどうかも、そけい部をかるく指でしごいてキンタマが降りてこないかどうか確認します。

 

触ってみても玉ぶくろにキンタマがなさそうな場合は、「腹部超音波(エコー)」で検査して、本当にないかどうかを確認します。

 

「停留精巣」には何段階かの種類があります。①キンタマがまだ完全にお腹の中にある場合を「腹腔内精巣」、②途中まで降りてきて「そけい管」の中にとどまっている場合を「そけい管内精巣」、③「そけい管」よりも下まで来ているけど玉ぶくろの中におさまっていない「そけい管外精巣」となります。

 

①〜③のどの部分にキンタマがあるかは「腹部超音波(エコー)」だけではわかりにくく、「CT検査」や「MRI検査」で調べます。これでもどこにキンタマがあるかわからないこともあり、その場合は「腹腔鏡」という内視鏡でお腹のなかをみて判断することもあります。

 

泌尿器科専門医 石村武志

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