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亀頭包皮炎

陰茎(おちんちん)の亀頭部分や、包皮(皮の部分)の皮膚に、細菌(ばい菌)や真菌(カビ)が感染して、炎症を起こす病気が亀頭包皮炎です。亀頭や包皮の両方あるいはどちらかだけが、赤くただれを起こし、痛みや痒みが出ます。大人でもこどもでもなります。ほとんどは塗りぐすりだけで治りますが、まれに治りにくく飲み薬が必要になることもあります。

 

目次

 

亀頭包皮炎とは

私が育った田舎では、子供の頃に「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが腫れるぞ!」とおどかされたものです。最近ではミミズを見かけることもあまりなくなりましたが、それに代わる都市伝説のようなものがあるのでしょうか。

 

 

この都市伝説、というか言い伝えは、何もおしっこをかけられたミミズの恨みでオチンチンが腫れる、というわけではないでしょう。たぶん「ミミズが出てくるような土いじりをした後に、手を洗わずに立小便をしておちんちんを触ると、ばい菌がついて亀頭包皮炎になるぞ」ということを、先祖代々の経験からこどもに伝えるための教訓、ということではないでしょうか。

 

 

こどもの多くは「仮性包茎」です。これ自体は何の治療の必要もありません。ただ、皮をかぶった状態だとやや湿っぽくて、ばい菌が住みやすい環境となります。不潔な手でおちんちんを触るとばい菌がつき感染を起こします。

 

 

また特別に不潔な手ではなくても、人間の皮膚や生活環境にはもともと「常在菌」というばい菌がいるのものです。逆にお風呂で石鹸をつかってゴシゴシと洗いすぎると、皮膚のバリアが壊れて、これらのばい菌が原因で亀頭包皮炎になることもあります。

 

大人の場合は、自慰などの際に自分で擦りすぎたり、性行為で物理的な刺激を受けて、皮膚のバリアが壊れることで亀頭包皮炎になることが一番多いと言えます。

そのようなきっかけがなくとも、例えば風呂に入った時に、あまり石鹸でゴシゴシと洗いすぎると、やはり皮膚のバリアが壊れて雑菌が入り、「亀頭包皮炎」になることもあります。

 

特に性行為で刺激を受けた際には、壊れた皮膚のバリアから女性の膣や外陰部の常在菌が入り感染することもあります。というわけで、亀頭包皮炎の一部は捉え方によっては「性行為でうつった」と言えなくもありませんが、通常は「性感染症」には含みません。

 

 

なかには、いわゆるばい菌(細菌)ではなく、カビ(真菌)の一種である「カンジダ」で「亀頭包皮炎」を起こす方もいます。

「カンジダ」は、生活環境や人間の皮膚のあらゆるところに元々住んでいるカビの1種です。「カンジダ」は乾燥に弱く、あまり生命力の強いカビではありません。通常、人間の皮膚に感染を起こすことはあまり多くありません。

「カンジダ」が原因で包皮炎を起こす場合は、ほとんどの場合「糖尿病」の方です。また「糖尿病」の方で、「仮性包茎」や「真性包茎」で普段から亀頭に皮がかぶっている場合はさらに「カンジダ」が原因で「亀頭包皮炎」を起こしやすくなります。

 

 

糖尿病の方は、もともと感染に対する抵抗力が落ちています。さらに糖分が多く含まれる尿が包茎の皮に付着してじめじめした環境があると、そのばい菌やカビにとって非常に好都合なのです。

 

まれに糖尿病がない方で「カンジダ」が原因で「亀頭包皮炎」になる方もいますが、多くは一時的なもので、糖尿病などの基礎疾患がなければ、ほとんどが一時的なもので自然に治ってしまいます。

 

亀頭包皮炎の症状

こどもの場合はだいたいが包茎なので、「亀頭包皮炎」を起こすと、まずはおちんちんの皮の部分が赤く腫れ上がります。すると、おしっこをする時にしみて痛がることが多いです。

そして炎症が亀頭の部分にまで広がると、亀頭の表面の皮膚が赤くぬるぬるとただれたような感じになり、痛みが増すことが多いです。

 

 

「真性包茎」で何度も「亀頭包皮炎」を繰り返したり、治らずにずっと炎症が続くと、オチンチンの先端の皮膚が乾いたように硬くなり、裂けてしまうこともあります。

包茎についてはこちら

 

大人の場合は、多くは包皮(皮)の部分にできた小さな傷の部分がだんだんと赤くなり、ヒリヒリと痛くなったり、かゆみが出たりします。ひどくなると赤く腫れてきて、亀頭の表面がぬるぬるとただれたような状態になります。

 

「カンジダ」が原因で「亀頭包皮炎」になった場合は、同じく包皮や亀頭に赤みや腫れが出ます。また「カンジダ」の特徴として、ぽろぽろと乾いたような白いカスや、チーズのようなカスが出たりします。ただ、ばい菌が原因が起こる「亀頭包皮炎」でも皮膚がかさかさになって白いカスが多少は出ることがあります。

 

亀頭包皮炎の検査、診断

まずは、問診で症状やそのきっかけをお聞きします。また糖尿病などの持病の有無を確認します。「亀頭包皮炎」の多くはこのような問診見た目と症状で原因が細菌か真菌かを判断します。

そしてまずは治療を行ってみて、その薬で治ったかどうかで診断が確定する、ということが多いです。ほとんどの場合はばい菌(細菌)による「亀頭包皮炎」と判断して、抗菌薬入りのステロイド軟膏を塗って治療をします。

 

もしもこれで治らない場合、または最初から糖尿病があって明らかにカビ(真菌)が原因の可能性が高い場合は、「カンジダ」を疑います。この場合、白いカスを採取してカビ(真菌)の培養検査をすることもあります。

また、「カンジダ」がかなり疑わしい方で逆に糖尿病と言われたことがない方では、そもそも知らないだけで糖尿病がないかどうかを採血検査で調べることもできます。

 

問診で性行為がきっかけとなっていた場合は、「梅毒」との区別が重要です。「梅毒」の場合は痛みや痒みなどがあまりないことが多いです。しっかりと梅毒でないことを確認するために採血検査をすることもあります。

 

梅毒についてはこちら

 

亀頭包皮炎の治療

「亀頭包皮炎」のほとんどは、ばい菌(細菌)が原因です。まずは抗生物質入りのステロイド軟膏を塗って治療をします。また亀頭までただれて非常に症状が激しい場合などは飲み薬の抗菌薬を併用します。

 

 

「包茎」の場合はできるところまで皮を剥いて、お風呂に入った時にお湯できれいに洗うのも治療の1つです。

この時、できれば皮膚に対する刺激をさけるために、治るまでおちんちんには石鹸はできるだけ使わない方がいいでしょう。多くの方、特にこどもでは数日ですっかり治ってしまうことがほとんどです。

 

 

もしも治りにくい場合、あるいは最初から糖尿病がある方で白いカスが大量に出ていたりして「カンジダ」を強く疑う場合は。「抗真菌薬」の軟膏で治療をします。

 

亀頭包皮炎の予防、注意点

「亀頭包皮炎」はほっといても自然に治ることもあります。ただ、治るまで割と辛い症状が続くうえに、軟膏を塗れば割と簡単に治ることが多いです。できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

 

上では触れませんでしたが、同じようにオチンチンにただれが出て、非常に強い痛みを伴う場合は「性器ヘルペス」の可能性もあります。これも辛い病気です。症状が出ている時は性行為でうつる可能性があるので、この場合も早めに医療機関を受診しましょう。

性器ヘルペスについてはこちら

 

泌尿器科専門医 石村武志

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