ブライダルチェック
ブライダルチェックとは
2021年に厚生労働省から発表された初婚年齢は、夫31.2歳、妻29.6歳で、晩婚化が進んでいます。男女ともに高齢になるほど妊娠してこどもを授かるのは難しくなると言われていて、日本では6組に1組のカップルは「不妊」で悩んでいるといわれています。
以前は「不妊」というと女性側の原因が主に取り上げられていました。しかし最近では、男女両方あるいは男性側にも原因があることが多いことがわかってきました。「不妊」の40~50%は男性側の原因が関わっていると言われています。
このような理由から、結婚する前にブライダルチェックを受けるという方が増えつつあります。ブライダルチェックととは、結婚を予定している方が、自分自身の「生殖能力(子供をつくる力)」などを知るために、受ける一連の健康診断的な検査のことです。ほとんどは採血検査と精液検査のみで終了します。
ブライダルチェックの目的① 自分自身の生殖能力を調べる
生殖能力を調べるためには「精液検査」や「ホルモン検査」が必要です。「精液検査」は読んで字のごとく、自分自身の精液を提出して、精液のなかの精子の数、濃さ、運動率(元気に動き回っている精子の割合)などを調べる検査です。
一般的に正常つまり妊娠しやすい精子の濃さや運動率には基準の数値があり、その基準に達しない方は妊娠しにくい可能性があるということです。男性にとってやや勇気のいる検査ではありますが、値を知ることによってパートナーと健やかな家族を気づいていくための自信を持つことができると思います。
「ホルモン検査」では、主にテストステロンという男性ホルモンの値や、脳から出て男性ホルモンを分泌するように命令を下すホルモンの値などを調べます。一般的には「精液検査」で異常が見つかった場合に調べる検査です。
ブライダルチェックの目的② 性感染症にかかっていないか調べる
性行為によって感染する「性感染症(性病)」を持ってないかどうかを、はっきりさせておくための検査です。
今の時代、結婚するパートナーが初めての性行為のパートナーであることの方が少ないのかもしれません。少し厄介なことに「性感染症」のなかには、症状がほとんど出ないものもあります。ということは、過去に1度でも、現在のパートナー以外とのオーラルセックスを含む性交渉の経験がある方は、知らずのうちに「性感染症」を持ってしまっている可能性があるということです。もちろん、その場合は結婚予定のパートナーにうつる可能性もあるということです。
このような病気には、「クラミジア尿道炎」、「淋菌性尿道炎」、などが該当します。もちろん、排尿時痛などの症状が出ることが多い病気ですが、人により非常に症状が軽いか、あるいは全く症状が出ないことがあります。
ブライダルチェックの目的③ 胎児へ影響を及ぼす感染症を調べる
妊婦さんが妊娠中に「風疹」や「麻疹(はしか)」にかかると、流早産や胎児異常が出る原因になったります。これを防ぐためには、母親側が妊娠前に検査やワクチンを受けておくことはもちろん重要です。それと同時に、父親側が風疹や麻疹になり母親にうつしてしまわないようにすることも重要です。
そのためには、「風疹」や「麻疹(はしか)」に対する抗体を持っているかどうかを調べ、もしも持っていなかったらワクチンを受けて抗体を獲得しておくべきと言えます。