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髪の毛がものすごく抜けます

脱毛は免疫抑制剤の副作用で起こります。脱毛・薄髪の毛の悩みは男性、と思いがちです。ただし、これは一般的に加齢による薄髪で悩むことが多いのが男性だからです。腎移植後の患者さんで脱毛を気にするのは圧倒的に女性です。

 

 

逆に、不思議と男性の方から、腎移植外来の際に、脱毛・薄髪について相談されることは少ないです。男性の場合、一般の方にも共通の悩みなので、脱毛・薄髪があっても腎移植の影響とはあまり思わないのかもしれません。

ところが女性の場合、髪が長いので抜けた髪の毛の量が多く見えることもありますし、通常は脱毛・薄髪がそこまでひどくなることはないので余計に気になるのだと思います。容姿に関わることなので女性にとっては非常に大きな問題です。

脱毛・薄髪は、腎移植を受けて退院した直後〜半年以内くらいで、相談されることが一番多いように思います。その理由は、この時期はまだ飲んでいる免疫抑制剤の量が多く、副作用が出やすい時期だからです。 


残念ながら、脱毛・薄髪はこれをすれば良くなる、という決定的なことはありません。

ただし、腎移植をして約1年くらいたてば、退院当初と比べるとかなり免疫抑制剤の量が減ります。そうすると当然副作用の程度も軽くなるので、脱毛・薄髪があまり気にならなくなる、という方は多いです。

その時期を過ぎても本当に困っている場合は、免疫抑制剤の量をさらに減らしたり、あるいは特に脱毛を起こしやすい種類の薬を別の薬に変えたりすることもできないことはありません。とはいえ、いずれの方法でも、そのことがきっかけとなって拒絶反応が起こる可能性がないとは言い切れません。

 

免疫抑制剤の副作用の説明する際には、必ずお伝えするようにしていることがあります。

副作用があったとしても、移植腎を拒絶反応から守るためには非常に大事な薬です。これらの薬がなかった時代の腎移植は、非常に成績が悪く10年経って腎臓が生着している人は半分もいませんでした。

色々な免疫抑制剤の開発によって、現在の腎移植の成績は段違いに良くなっています。副作用がゼロではありませんが、免疫抑制剤がなければ腎移植という医療自体が成り立たちません。

もちろん腎臓を提供してくださったドナーには一番感謝をしないといけないのですが、免疫抑制剤の恩恵にも感謝の気持ちを忘れず、決められた量と時間で服用することが重要です。

 

かといって、とても困っているから相談されるのでしょう。辛いとは思いますが、せっかくもらった大事な腎臓と脱毛がどちらが大事かとなると、みなさん薬を減らしたり変えたりすることはあきらめる方が多いです。

なんだか申し訳ない気分になるのですが、現状ではこれは仕方のないことなのかと思ったりします。

ただ、1年目以降は徐々にましになっていくことが多いので、あまり悩みすぎずに時間が過ぎるのを待ちましょう。

 

 

またAGA(男性型脱毛症)の治療薬を自費診療で受けることが可能ですが、免疫抑制剤の作用に影響を与えることがあります。

飲んではいけないわけではありませんが、服用の際には主治医の先生の許可を得てからが良いと思われます。

日本移植学会認定医、日本臨床腎移植学会認定医

石村武志

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