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急性精巣炎(ムンプス精巣炎)

大人になってからのおたふく風邪、つまりムンプスウィルス感染は、「急性精巣炎」(ムンプス精巣炎)を引き起こすことがあります。多くの場合、お子さまからおたふく風邪をもらったあと、片方あるいは両方の精巣が腫れて痛みが出ます。精巣が腫れ自体は特に治療をしなくても自然に治ることがほとんどですが、ときに男性不妊症の原因となります。

 

目次

 

急性精巣炎とは

「精巣炎」や「ムンプス精巣炎」という病名を聞いたことがなくても、「大人になってからおたふく風邪を引くと、種なしになるぞ」、という都市伝説(?)は、多くの男性なら聞いたことがあるでしょう。実はこれ、あながち都市伝説でもないのです。

 

「急性精巣炎」とは、キンタマ、つまり精巣が、ウィルス感染により炎症を起こして腫れる病気です。「ムンプスウィルス」というウィルスが原因であるため「ムンプス精巣炎」とも呼ばれます。

 

 

「ムンプスウィルス」は、「おたふく風邪」を引き起こすウィルスです。「おたふく風邪」は、通常こどものうちにかかることが多くい病気です。子供のうちにかかった場合は、ほっぺたは腫れますが、キンタマが腫れることは滅多にありません。

 

ところが、こどものうちに「おたふく風邪」にかからずに大人になってしまった場合3人に1人くらいが「急性精巣炎」を起こすと言われています。

 

 

ちなみに「おたふく風邪」にかかったことがなくても、「おたふく風邪」のワクチンを打っていれば、ムンプスウィルスに感染することはないので、「急性精巣炎」になる心配はありません。

 

ほとんどの場合は1~2週間で腫れや痛みは引いてきます。しかし治ったあと、精子を作る能力が落ちて男性不妊症になることがあります。

 

ただし「急性精巣炎」になった大人の男性が全員精子がなくなってしまうわけではありません。気になる方は泌尿器科を受診すれば、精液を調べることができます。

 

急性精巣炎の症状

多くの場合、まずお子様がおたふく風邪にかかり、その後にお父さんがおたふく風邪にかかりほっぺたが腫れ、その数日後からキンタマが腫れてくるというパターンになります。

 

 

片方のキンタマだけが腫れる時と、時間差で片方が腫れた後もう片方も腫れてくる時と、同時に腫れる時とあります。

 

同じようにキンタマが腫れた、痛い、といって病院に来られる方のなかで、多いのは「急性精巣上体炎」という病気です。

 

これは、「陰嚢」つまり玉袋のなかで精巣の隣にある組織である「精巣上体」に最近が感染して起こる病気です。片方のキンタマが(正確にいうとキンタマの隣にある精巣上体が)炎症で腫れ上がり、高熱がでる病気です。

 

急性精巣上体炎についてはこちら

 

急性精巣炎か、急性精巣上体炎かによって、治療は大きく違います。一般の方では区別が難しいので、キンタマが腫れて痛い場合は、必ず泌尿器科を受診しましょう。

 

急性精巣炎の治療

精巣の腫れや痛みは、1週間もしないうちに自然に治ります。ただし精巣の温度が上がりすぎることで精子を作る力が落ちるとも言われています。

 

 

腫れている間は、氷枕などでなるべくキンタマを冷やしておきましょう。また痛みがひどい場合は鎮痛薬の飲み薬を処方することもあります。

 

急性精巣炎の予防、注意点

大人になってからおたふく風邪になり精巣炎を起こした場合、まれに精巣が精子を作る能力が低下して、「男性不妊症」の原因となることがあります。

 

こどものうちに「おたふく風邪」にかからずに大人になってしまった場合や、「おたふく風邪」のワクチンを打ってなかった場合、3人に1人くらいが「急性精巣炎」を起こすと言われています。

 

特に2000年以前に生まれた男性はムンプスウィルスのワクチン定期接種を受けていない可能性があります。その年代の男性で子供の頃におたふく風邪になったことがない人は、お子さんがおたふく風邪になった場合は注意が必要です。

 

気になる人は、採血検査でおたふく風邪、風疹、はしかの抗体を測定し、もしも抗体がない場合はワクチンを接種するとよいでしょう。

 

 

また大人になってからおたふく風邪になったことがある方は、泌尿器科で精液を調べることもできます。気になる方は受診をお勧めします。

 

泌尿器科専門医 石村武志

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