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「神戸大学の腎移植患者さまへ」

ご挨拶

みなさま、こんにちは。神戸大学泌尿器科の石村です。このたび2022年3月をもって神戸大学を退職します。そして、2022年10月にいしむら腎泌尿器科を開設予定です。

 

すでに診察時にお手紙をお渡しした方にはお伝えをしましたが、突然退職をご報告することとなり、不安を感じさせてしまったかもしれないと申し訳なく思っています。

 

外来診察の際は十分な時間がなく、私が診察を担当していない方もいらっしゃいます。このメッセージを通じて、長年お世話になった方々や、全ての患者さまに、貴重な経験を積ませていただいたことの感謝をお伝え申し上げます。

 

これからはいしむら腎泌尿器科クリニックで皆さまのお役に立てるよう、神戸大学と密に連携をしながら、準備を進めてまいりますのでよろしくお願いします。

 

腎移植医療の身近な課題

お手紙にも書きましたが、ここ数年間、神戸大学で腎移植を受ける方は急激に増えてきました。

 

同時に腎移植外来を受診される患者さまもどんどん増える一方で、待ち時間は非常に長くなります。おそらく現状がほぼ限界なのではないかと思っています。

 

実は、全国の腎移植施設で同じような問題が出てきております。腎不全の治療選択として腎移植が知れ渡るようになり普及していく速度に、医療体制が追いついていないのです。

 

というのも、腎移植患者さま診察には、免疫抑制剤の調整や感染症の管理など、かなり専門的な経験と知識が必要です。

 

近所の内科医院に通院する、というわけにはいかないのです。これまで腎移植患者さまのほとんどは、腎移植手術を受けた病院でそのまま通院を続けていました。

 

ただし、腎移植の手術を行っている病院は、大きな総合病院で他の病気の患者さまもたくさん通院されています。また、冒頭でも説明した通り、腎移植患者さま自体も増えてきて外来診察の予約がパンク寸前なのです。

 

そんななか、腎移植患者さまが通院できる、専門のクリニックがあればとても便利です。実際に、北海道、東京、神奈川、岐阜、大阪など、日本全国で腎移植患者さまが通院するためのクリニックが相次いでできて来ています。

 

このような経緯があり、私もこれまでの経験を活かして、いしむら腎泌尿器科クリニックで腎移植患者さまの診察を行うことに決めました。

 

同じ腎移植患者さまでも

腎移植患者さまでも、その方の置かれた状況は様々です。

 

①腎移植を受けて1年以内の方は、1週間〜1ヶ月に1度、割と頻繁に外来受診をして採血検査や状況報告をします。これにより、適宜免疫抑制剤の投与量や感染症の診断などをします。診察時の様子で、追加の入院治療が必要となることもあります。

 

②腎移植を受けて1年以上経過している方でも状態が不安定な方や、残念ながら移植腎の機能がかなり低下してしまっている方なども、比較的頻繁に外来受診をします。病状にもよりますが、2週間から1ヶ月に1度、採血検査や必要に応じてCTなどの画像検査を行い、結果により入院治療を行う必要もあります。

 

③腎移植を受けて1年以上経過しており、高血圧や糖尿病などの持病の病状が安定している方は、通常1〜2ヶ月に1度の診察です。

 

④腎移植を受けて1年以上経過しており、特に持病もなく非常に安定している方も、通常1〜2ヶ月に1度の診察です。

 

日常生活充実より移植腎管理を優先すべき方

①、②に該当する方、つまり、腎移植をして1年未満の方や、比較的頻繁に入院を必要とするような体調の方や、移植腎の機能が拒絶反応やその他の様々な原因で不安定な方については、大きな病院でないとできない色々な検査や治療があります。

 

このような患者さまは、神戸大学泌尿器科の腎移植外来に通院をした方が安心かもしれません。社会生活を充実させることよりも、できればまず体調や病状を整えていくことが優先される方とも言ます。

 

状態が落ち着けば、社会生活を徐々に優先するようにしていけばよいでしょう。その際には当院で診察を担当いたします。

 

仕事や学校など日常生活充実を考えて良い方

③に該当する方、つまり、糖尿病や高血圧などの持病がありながらも、管理がしっかりなされており、移植腎の機能が安定している方です。このような患者さまは、もちろん腎移植や腎移植以外の持病をしっかり治療をしていかないといけません。

 

かといってそれにより生活やお仕事などの制限が非常に大きいわけではなく、普通にお仕事をされている方がほとんどだと思います。

 

腎移植を受けていない方でも糖尿病や高血圧などの持病を持ちながら、クリニックに通院して日常生活を送ってらしゃる方はたくさんいます。

 

むしろご高齢の方で、それに該当しない方の方が少ないかもしれません。治療をしっかりしながら、せっかくいただいた腎臓のありがたみを最大限活かせるように、日常生活の充実を図るべきです。

 

状態が安定していれば、糖尿病や高血圧などの持病の管理や投薬も私が行うことも可能です。ご希望があれば当院で診察を担当します。

 

④に該当する方、つまり移植腎機能が安定しており、特に大きな持病もない患者さまは、服薬、自己管理、安心な通院と診察、これが守られる範囲で、できるだけ自由な日常生活を楽しむべきかと思っています。

 

ご希望があれば当院で診察を担当します。

 

自分がどの状態に該当するか、判断がつかない方も多いと思います。ご希望の方はいつでも結構ですので、私もしくは担当医、レシピエントコーディネーターに相談していだければ結構です。

 

いしむら腎泌尿器科クリニックへ通院をご検討の皆様へ

私自身の腎移植医としての経験、院内設備、腎移植施設との連携を最大限に活かし、腎移植を受けた方に安心と長期成績を提供したいと思っております。

 

そのうえで、皆さまの通院がより便利になり生活がいっそう充実すれば、本当に理想の腎移植という治療が叶えられるのではないかと思っております。

 

しかし上で述べた通り、体調面や移植腎の状態を最優先にするべき腎移植患者さまもいらっしゃいます。

 

そこで重要となるのが、腎移植の手術を受けた病院との連携です。

 

神戸大学との連携

私は、2022年3月に神戸大学を退職後も、毎週木曜日はクリニックを休診とし、非常勤講師として神戸大学に手術のお手伝いへ行きます。また、それ以外にも様々な形で神戸大学の腎移植医療に貢献していきたいと考えてます。

 

これにより、神戸大学とは密に連携を取り合い診療が可能です。

 

クリニックへ通院をされる方であっても、3年、5年、7年、10年と、節目の年に神戸大学に入院して腎生検を受けていただくことが可能です。それ以外も半年か1年毎に神戸大学へ定期受診をしていただくことも考えております。

 

また、体調不良の際はまず当院で診察を行い、入院が必要となる可能性がありそうな場合は、すぐに神戸大学に連絡をして診察、必要に応じて入院の必要性を判断してもらいます。もちろん元気になれば再び当院で通院も可能です。

 

さいごに

皆さまの移植腎と生活にとって、当院での治療がお役にたてれば幸いです。ご興味のある方は以下のどの方法でも結構ですのでご連絡ください。

 

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